認知症の治療・対応
認知症やその前段階の軽度認知障害はあわせると65歳以上の4人に1人以上にのぼります。認知症の症状は、記憶障害中心とした認知症の方に必ず見られる中核症状と、そこに本人の性格や環境の変化などが加わって起こる周辺症状があります。主な認知症としてはアルツハイマー型、レビー小体型、脳血管性、が挙げられ、それぞれ特徴はあります。
症状と対処
中核症状とは脳の神経細胞の破壊に伴って起こるもので、ちょっと前のことを忘れたりする記憶障害、人の名前や時間・場所が分からなくなる見当識障害、普通にできていた日常の動作ができなくなる失行、視覚・聴覚・触覚など五感に関する認知能力が障害される失認、計画立てて順序良く物事をこなせなくなる実行機能障害、などがあります。
周辺症状とは脳の障害に伴う精神症状や行動の障害です。不安や抑うつ、妄想などの精神症状と徘徊や興奮、攻撃性や粗暴といった行動の異常がみられやすいです。脳の障害を背景に、その人の性格や環境因子、人間関係などの種々の要因が絡み合っておきるため、症状は人それぞれです。
対処としては、ご本人に種々の中核症状での不安や戸惑いがあるため、その気持ちに寄り添い不安の軽減に努めます。自尊心を傷付けないような対応も心掛けましょう。家事の協力、対人交流、音楽鑑賞、スポーツ観戦、手作業、計算など脳に刺激を与えるようなこともしてみてください。
治療
認知症の種類に応じた治療が必要です。アルツハイマー型認知症では認知機能の低下を遅らせるような薬物療法があります。また周囲の接し方が重要ですが、周辺症状では最低限での薬物療法が必要になることもあります。